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有機溶剤を吸ったり、皮膚についたりした後の体への影響はどうなってる?

有機溶剤は他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称です。

前提としてですが、「脂溶性がある」という油分に溶けやすいという特性があります。

今回対象になる人間には、全身に広く分布している脂肪細胞があり、人間には有機溶剤と結合しやすい対象が多くあるとも言えます。

有機溶剤には「揮発性が高い」という特性があり、通常の状態は液体ですが、液体から気体に変化しやすい特性があります。

気体の状態だと呼吸によって吸い込みやすく、皮膚からも吸収しやすい特性もあり、全身に溶剤が回り脂肪分と結合しやすいとも言えます。

使用する程度にもよりますが、濃度の高い雰囲気中に短時間でもいたら、急性中毒になりやすいですし、濃度の低い雰囲気中に長期間いたら慢性の症状が出やすくなります。

【この記事を監修した人】

ひどい口臭・体臭を克服した専門家

特殊な機器・薬などで対応するのではなく、「本当の健康」を追究した結果克服できたのですが、この「自然志向の健康法」での克服方法を知りたい人はいませんか?

目次

呼気吸収について

有機溶剤を吸入することによって、呼気中にその成分が検出されることがあります。呼気中に有機溶剤が検出されることを「呼気吸収」といいます。呼気吸収は、有機溶剤を吸い込んだ後、呼吸器系を通して血液中に吸収された有機溶剤が、肺胞から空気中に放出される際に起こる現象です。

呼気吸収は、有機溶剤の吸入量や時間によって変化するため、呼気中に検出される有機溶剤の量や種類は個人差があります。一般的に、有機溶剤の吸入量が大きいほど、呼気中に検出される有機溶剤の量も増加します。

呼気吸収によって、有機溶剤の代謝物質である「代謝物」が検出されることもあります。代謝物は、有機溶剤が肝臓などで分解された後に生成される物質で、血液中を循環して体内の様々な部位に到達します。代謝物が検出されることで、有機溶剤の吸入が起こったことが確認されます。

呼気吸収検査は、有機溶剤による健康被害の診断に利用されることがあります。特に、有機溶剤による中毒症状が現れない場合でも、呼気吸収によって有機溶剤の吸入を検出することができるため、早期発見につながります。また、有機溶剤を取り扱う業務に従事している場合には、定期的に呼気吸収検査を受けることが推奨されています。

経皮吸収について

皮膚から吸収されることを「経皮吸収」と呼びます。皮膚は体の外側を覆う最大の器官であり、その主な役割は体内の水分や栄養素を保持し、外的な物質から体を守ることです。しかし、皮膚は多孔性の組織であり、有機溶剤のような化学物質は皮膚の隙間を通じて吸収されることがあります。

有機溶剤の分子は、通常は脂溶性が高く、皮膚の角質層の脂質層に溶け込みやすいため、皮膚から吸収されやすいとされています。有機溶剤の吸収量は、物質の種類や濃度、吸収する部位の面積・薄さ、時間、皮膚の状態、個人差などによって異なります。

皮膚からの有機溶剤の吸収は、吸入や経口摂取よりも低いリスクであると考えられています。しかし、有機溶剤の中には、皮膚から吸収された後、体内で代謝された際に毒性の高い物質が生成される場合があります。また、長期間にわたって経皮吸収されることで、慢性的な健康被害が引き起こされる可能性があります。

症状があっても、始めは「わかりにくい」です。急性の症状であれば体調の変化が大きいケースが考えられますが、慢性の症状では、「そういえば、、、」といった症状から、「気が付いたら症状が慢性化していた」となるケースもあり、危険性を知っておく必要があると言えます。

有機溶剤の種類は数百種類あり、発がん性が認められたものもあります。国ではそれらからの予防という観点で、事業者が適切に管理を行うよう要請されており、その一部として特殊健康診断があります。

特殊健康診断について

有機溶剤を扱う業務に従事している人は、長期間にわたって有機溶剤に曝露されるため、健康被害を受ける可能性があります。そのため、労働安全衛生法に基づき、「特殊健康診断」という健康診断が義務付けられています。

特殊健康診断とは、有機溶剤に曝露される業務に従事している人を対象とした、特別な健康診断のことです。一般的な健康診断に加えて、有機溶剤曝露の影響を受ける可能性がある臓器や機能について、より詳細な検査を行います。具体的には、肝臓、腎臓、血液、中枢神経系、呼吸器、皮膚などが挙げられます。

特殊健康診断は、通常、有機溶剤曝露の始まりから1年以内に実施され、その後は3年に1回実施されます。健康診断の実施については、事業者が責任を持って行わなければなりません。また、健康診断にかかる費用は、原則として事業者が負担することになっています。

特殊健康診断の目的は、有機溶剤曝露による健康被害を早期に発見し、適切な処置を行うことによって、労働者の健康を守ることです。有機溶剤を扱う業務に従事している人は、適切な保護具の着用や換気の確保など、事故や健康被害を予防するための取り組みを行うとともに、特殊健康診断を受けることが重要です。

溶剤の揮発したものを吸う事で、接触で皮膚から体内に取り込まれて、全身に血液で循環されます。一部は呼吸で排泄されますが、脳や神経に結合し、肝臓で抱合、分解をされた後に腎臓を通過して尿にて排泄されます。溶剤によっては、尿の代謝物を測定する事によって、溶剤の吸収量を推測したりできます。

問題点として

特殊健康診断を受けることができるのは、有機溶剤にさらされた労働者に限られます。一方で、一般の人々や、有機溶剤にさらされた可能性がある人々に対する健康影響については、十分に調査されていない場合があります。

また、特殊健康診断によって検出される健康被害の範囲も限られています。特に、有機溶剤が引き起こす神経毒性については、症状が現れるまでに時間がかかる場合があります。そのため、特殊健康診断によって検出されなかった健康被害が後に発覚することがあります。

まとめ

有機溶剤を使用する際は、

・予防する観点からマスク、手袋を使用する事によって体内に入る濃度を下げる。

・業務上使用する際は使用する溶剤の種類、使用用途を把握する。また、保護具を使用し、体調を管理する上で特殊健康診断を受けておく事が、安全を確保する方法の一つと言えそうです。

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この記事を書いた人

機械系の勉強を行い大学工学部、卒業。有機溶剤を使用していた仕事に従事。有機溶剤に苦戦するが、克服できました。
溶剤バスターでは、シンナーなどを吸入しない方法だけではなく、吸入して後遺症などに苦しむ方へ私が克服した方法についてお伝えしています。
口臭・体臭や頭痛などの辛い苦しみから解放される糸口が見つかるかもしれません。

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