有機溶剤は体内に溜まるの?溜まらないの?
とある労基署の見解ですが、有機溶剤を使用した体への影響を知るために特殊健康診断を受けるには、使用した当日、翌日に検査をすると言われていました。
誤解を招くかもしれませんが、有機溶剤自体は揮発性の高い物質ですので、体内からも揮発または排出されやすい特性を持っていると言えそうです。
ですので体内に一度吸収してしまった有機溶剤自体はほとんど、呼吸によって排出していき、尿では「検出しにくい」という事が言えると思います(検査を行うのは有機溶剤を使用した当日か、翌日の朝というのが多いそうです)
ですが、もう一つの特性として油脂にとても溶けやすいという性質がある事から、一度体内に吸収してしまった際に、体のいたるところで油脂に結合されてしまうという懸念があります。そこで、溶け出された物質はどうなっているのか疑問がわいてくる所でもあります。
【この記事を監修した人】
ひどい口臭・体臭を克服した専門家
特殊な機器・薬などで対応するのではなく、「本当の健康」を追究した結果克服できたのですが、この「自然志向の健康法」での克服方法を知りたい人はいませんか?
有機溶剤によって溶け出された物質が身体に吸収されている(溜まっている)。その対処は?
有機溶剤は体内に一度吸収されても、対外に排出されるものが多いとされていますが、一度吸収された有機溶剤と、溶け出された物質を体に吸収してしまったらどうなるのでしょうか。
実体験例として
具体例1:工場勤務
工業の規模によっても変わると思いますが、基本換気が出来る環境になっていることが多いです。シンナーを使用する際は換気扇を回して、直接吸い込む機会が多い場合は、有機溶剤用のガスマスクを使用するのも良いかと思われます。
しかし、こういった事が守られていない場合や、吸い込む時間が短いなどの事からガスマスクを使用しない、あるいは会社にて、きちんと対応していない場合は、一定数吸い込んでしまう事があります。
その場では何もないように感じるかもしれませんが、長期的には体調に異変が起きてくると言われています。
具体例2:塗装業者
車の板金業者では塗装という工程があります。機械に任せずに手作業で塗料をノズルで塗布していきます。
特に塗装の塗布をする労働者の中では、有機溶剤を使用した塗料を使用する際は、溶剤や粉塵の影響からか、体への負担が大きいようです。
塗装の際はガスマスクを使用している機会が多いようですが、ガスマスクをしていても、皮膚から有機溶剤を吸収してしまい、通常よりも体が疲れ、慢性的な疲労や体調不良を抱えている方も多いようです。その為、職場環境の改善が必要なケースが多くみられるようです。
具体例3:趣味でプラモデルなどの塗装
主に家庭で使う塗料ですが、使用されている塗料で「酔う」事があったと聞いたことがありませんが、気分が悪くなったりすることもあるかもしれません。
塗料、接着剤などには有機溶剤は使用されており、どうしても臭いは発生してしまい、体内にて吸収してしまうようです。
溶剤を使用してきた個人差や換気の具合によって、体内に蓄積される度合いが、変わるように見受けられます。
特に気を付ける事は、濃度の高い箇所には出来るだけ近づかない事です。換気が出来るように空気の流れを良くしておく事がポイントではないでしょうか。濃度の高いところに扇風機などで風を当てるなども効果的です。
比重が軽い有機溶剤などでは、呼吸によって吸いやすいものなのか、それとも比重が重い有機溶剤なのかで換気の方法も変わってきます。軽いものは上付きの換気扇で大気開放が出来て、濃度を低く出来やすくなります。比重が重い有機溶剤は、足元に溜まりやすい事からドアや窓を開けておくことでも、換気が出来きやすい事になります。
中毒症状が疑われる時の対処法について
・まずは風通しの良い場所に行き、体調が良くなるまで安静にしましょう。
・呼吸が確認できない場合は、人工呼吸をしましょう。
・体調が良くならない場合は、病院へ行きましょう。
体内吸収を防ぐ際の注意点として
・出来るだけガスマスク(防毒マスク)を使い、吸収管は溶剤向けのものを使用しましょう。
ガスマスクを使用していても話をしたり、動いた際にマスクと頬に隙間が出来て、その隙間から吸収してしまうケースも出ています。
排出を促進する方法について
・有機溶剤などを体内に吸収してしまった場合、汗で溶剤や油分などを体内から出していくのが良いかと思われます。また、ホットヨガや筋肉トレーニングなど、運動をする事で結果的に、排出を促進できます。
まとめ
予防をする事が非常に大切ですが、予防しきれない事もありえます。使用する有機溶剤の比重にあわせて換気の仕方を変えるなど、特性にあわせた対応をとれるようにしましょう。
・有機溶剤の種類によって体内に溜まりやすいものと、排出されるものがあります。異なる種類の溶剤を混ぜたものでは、症状の出方を特定しにくくなるため推奨できません。
・有機溶剤によって溶け出された物質は、体内に残っているケースがあります。
また、体臭に表れるほど溶剤や溶剤によって溶け出された物質を吸収している場合、下記の対処法があります。